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「豪快! 両国夢想」第6話「神なるもの」その48 [小説]

「そんなもの、
これ以上他人に勧めないで頂戴――。
三狼!
弾正府のほうで保管して。
ちゃんと上下に分けて封印しないと
ひどい目にあうぞ」
それに頷いた三狼が目配せすると、
数人の男女がワシントンの体に取り付き、
お札を全身に貼り付けて全体を覆ってしまう。
「貴様等何を――」
抗議の声を上げるワシントンの口にもお札が貼られると、
口を開くとこも出来なくなる。
屈強な男達が抱えると、
「大塔宮の土牢にいれておけ」
と三郎が命じた。
男達が待機していた車両2台に分譲するのを見送った結繪は、
「さてと、あなたには、
日本各地で混乱してるアメリカ南部連合をまとめて
本国へ帰ってもらうための指揮を執って欲しいんだけど…」
ルーズベルトの方に向き直って言った。
「いったい何がどうしたと言うのだ?
それも分からずにおいそれと答えられるか」
そう反論するルーズベルトの前に、
タブレット端末が置かれた。
「簡単なことですわ。
本日正午を持って、我々弾正府と第三契約者は、
軍事同盟を締結しましたの」
「バカな、第三契約者のメリットが少なすぎる…」
「ですからもう一つ、
解脱教徒とも平和友好条約を締結しております」
「きさま、今どこにいる?」
「それは軍事機密ですから
お教えするわけにはいきませんわ」
幽冥世(かくりよ)でタチアナ皇女大佐から教えて貰った
イスタンブールにある特異点の存在は、
ごく一部の人間しかしらないのだから、
わざわざ教えてなんかあげない、
その場にいた幽冥世帰還組全員がくすくすと笑った。
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つづく
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